この単元に入って、本試験に近い感じになって来ました。
昔のことは、かなり記憶しているほうですが、恥ずかしながら、日商1級の際に学習した「連結会計」は、どんな内容だったか、ほとんど記憶がありません。
勘定科目的には、昔「少数株主持分」と言っていたものが、今は、「非支配株主持分」になりました。
この単元は、設例も解いてみようと思ったほど、過去問だけを解いていた時には、正直、あまり理解ができていませんでした。
でも、テキストは素晴らしいです。
自分なりに理解が深まって来たと思います。
設例21の例で確認してみます。
まずは、仕訳を行いますが、できれば、テキストの解答用紙を見ないほうが良いと思います。
1回目は見て、2回目は見ないで、って感じでも良いですね。(^▽^)/
そして、このような説明がなくても、次の仕訳が必要なことを理解します。
1.開始仕訳(投資と資本の相殺消去)
2.期中仕訳(のれんの償却、当期純利益の振り替え、配当金の修正)
連結は前期末に行っているという一番基本的な問題です。
仕訳は練習になるので、いきなり精算表に書き込まずに、今の段階では仕訳をした方が良いと思います。
仕訳を行ったら、精算表の「修正・消去」欄に記入します。
記入後の状態は、テキストP.311で確認できます。
「修正・消去」欄の記入が終わったら、まずは、「損益計算書」から作成します。
修正記入欄の縦トータルを行います。
借方小計:12,000+500=12,500
貸方小計:0
借方合計:12,500+9,600=22,100
貸方合計:0
これを株主資本等変動計算書の「親会社株主に帰属する当期純利益」に移記します。
「連結損益計算書」の横トータルは、次のようになります。
諸収益:388,000+200,000=588,000
受取配当金:12,000-12,000=0
(収益なので元々は貸方にあったということで、借方に生じたのでマイナスです)
諸費用:352,000+176,000=528,000
のれん償却:0+500=500
当期純利益:48,000+24,000-12,500=59,500
(12,500を加算するか減算するか迷ったら、上の12,000は収益の取消、500は費用の発生なので、当期純利益は減ると考えるのが一番分かりやすいかと思います。)
非支配株主に帰属する当期純利益:9,600
親会社に帰属する当期純利益:48,000+24,000-22,100=49,900
(この行は、個別財務諸表の二重線がずれているようなイメージで捉えると分かりやすいです)
最後に、「連結損益計算書」の縦トータルを確認します。
諸収益588,000-諸費用528,000-のれん償却500=59,500
59,500-9,600=49,900
ということで、横トータルと一致したことが確認できます。
(9,600を加算するか減算するか迷ったら、非支配株主の利益なんだから、当然減算する必要がありますね)
これで、先ず、連結損益計算書の部分が完成しました。
次に、「株主資本等変動計算書」を作成します。
修正記入欄の縦トータルは、次のようになりますね。
■資本金
借方:125,000
貸方:0
この合計額を貸借対照表の資本金の修正記入欄に移記します。
■利益剰余金
借方:100,000+22,100=122,100
貸方:20,000
この合計額を貸借対照表の利益剰余金の修正記入欄に移記します。
■非支配株主持分
借方:8,000
貸方:90,000+9,600=99,600
この合計額を貸借対照表の非支配株主持分の修正記入欄に移記します。
次に、「連結株主資本等変動計算書」の横トータルを出します。
資本金当期首残高:200,000+125,000-125,000=200,000
資本金当期末残高:200,000+125,000-125,000=200,000
利益剰余金当期首残高:200,000+100,000-100,000=200,000
剰余金の配当:40,000+20,000-20,000=40,000
親会社株主に帰属する当期純利益:48,000+24,000-22,100=49,900
利益剰余金当期末残高:208,000+104,000-122,100+20,000=209,900
非支配株主持分当期首残高:90,000
非支配株主持分当期変動額:9,600-8,000=1,600
非支配株主持分当期末残高:99,600-8,000=91,600
続いて、「連結株主資本等変動計算書」の縦トータルを確認します。
資本金:200,000
利益剰余金:200,000-40,000+49,900=209,900
(40,000が加算か減算か迷ったら、配当をしたのだから剰余金は減ることになり減算です)
(49,900が加算か減算か迷ったら、当期純利益だから剰余金は増えることになり加算です)
非支配株主持分:90,000+1,600=91,600
(1,600が加算か減算か迷ったら、配当分より当期純利益分のほうが多かったから加算です)
これで、横トータルと一致したことを確認します。
最後に、「貸借対照表」を作成します。
貸借対照表は、既に記入済みの修正記入欄を加減するだけなので、特に難しいことはないかと思います。
資産の部と負債・純資産の部の合計が一致すればOKです。
このように、解き方の順番がありますので、気を付けましょう。
順番を間違えると、何をやっているか訳が分からなくなると思います。
1.仕訳(分からなかったら、今の段階では解答用紙を見てもOKです)をして、
2.修正記入欄に記載して、
3.損益計算書→株主資本等変動計算書→貸借対照表の順に仕上げます。
設例21の解答用紙をアップしますので、理解できるまで繰り返して練習してください。
これが理解できたら、次の段階の支配獲得後〇期目の連結に進むことになります。
基本が大切なので、基本をしっかり押さえましょう。
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